日・ルクセンブルクの学術、科学、デジタル分野における協力強化:オーベルタン大臣が東京を訪問

プレスリリース

来日中のステファニー・オーベルタン ・デジタル化相兼研究・高等教育大臣は、7月14日、15日、18日の日程で東京を訪れました。この訪問は、ルクセンブルク政府が「2030年デジタル主権加速」の目標に向けて、今年5月に発表したデータ、人工知能(AI)、量子技術に関する基本政策の展開の一環として行われました。

本ミッションは、日本の研究、高等教育、イノベーション分野における主要な関係者と組織間の連携を強化するとともに、主権的なインフラ、強固なデータガバナンス、新興技術の責任ある利用に基づくルクセンブルクのアプローチの共有を目的としていました。

戦略的意見交換

7月14日、オーベルタン大臣が率いる官僚および公共研究機関の代表者で構成される使節団は、理化学研究所(RIKEN)の脳神経科学研究センター(CBS)を訪問し、理化学研究所の五神真理事長、およびCBSの岡部繁男センター長に迎えられました。CBSとルクセンブルク大学、およびルクセンブルク保健研究所(LIH)との神経変性疾患分野における緊密な研究協力について話し合い、CBSの同分野における活動について説明を受けました。

午後は、東京科学大学Science Tokyoで会合を行い、高等教育、研究、技術開発における双方の優先課題について話し合いました。

さらに、文部科学省の野中厚副大臣と面会し、研究および高等教育に関する両国の政府政策を確認しました。

この日最後には、大使館において夕食会を開催し、日本の科学技術界の第一人者

と、両国が共通して戦略的優先分野として位置付ける宇宙、デジタル化、新技術に関するテーマについて意見を交わす機会となりました。

翌日の7月15日は、ルクセンブルク大学の長年のパートナー大学である上智大学を訪問し、学術協力や交換留学プログラムについて話し合いました。

その後、科学技術振興機構(JST)を訪問し、ルクセンブルクの研究エコシステムと、ルクセンブルク国立研究基金(FNR)をはじめとする国の資金援助制度を紹介し、協力の可能性について検討しました。

最後に、情報通信研究機構(NICT)を訪問し、サイバーセキュリティ、量子ネットワーク、宇宙通信技術などについて話し合い、これらの分野におけるルクセンブルクの研究活動との相乗効果相乗効果を探る機会となりました。

東京ミッションの最終日

オーベル短大人が率いる使節団は2日間大阪に滞在した後、7月18日に東京に戻り、ミッション最終日を迎えました。

午前中、大臣は東京大学において、商工会議所およびNTTデータ・ルクセンブルクと共催でヘルスデータの情報交換セミナーを主催しました。セミナーでは、健康データの活用について話し合い、ルクセンブルクの「Dataspace4Health」やルクセンブルクデータサービス(LNDS)などのイニシャティブ、および日本の相互運用性や人工知能における進展が紹介されました。両国の専門家が参加し、医療分野におけるデータ交換のための、安全で相互運用可能かつ倫理に基づいた、国境を越えるエコシステムの基盤を築くことを共通の目標としました。

その後、オーベルタン大臣は東京大学の藤井輝夫総長に歓迎され、東京大学の情報学環・学際情報学府の専門家との会談に出席しました。会談では、データ統合、データスペース間の相互運用性、およびそれらの分野における日・ルクセンブルク間の協力の機会に焦点を当てました。

午後、大臣は、ルクセンブルク保健研究所(LIH)およびルクセンブルク大学の「Luxembourg Centre for Systems Biomedicine」(LCSB)の長期パートナーである、横浜にある理化学研究所生命医科学研究センター(RIKEN-IMS)を訪問しました。訪問では、ルクセンブルクの研究・イノベーション戦略における優先分野である個別化医療、免疫学、および生物医学データ処理に関する共同プロジェクトや現在の研究活動について、最新情報が交換されました。

高い付加価値をもたらす二国間パートナーシップ

オーベルタン大臣の訪日は、ルクセンブルクが日本との科学技術分野におけるパートナーシップの強化に意欲的であることを示す内容となり、科学技術革新、新興技術、データ活用を、主権、競争力、社会変革の戦略的レバレッジとするというルクセンブルク政府の方針に沿ったものです。両国の研究機関間の交流を深めることにより、データ活用、AI、サイバーセキュリティ、量子技術などの主要分野における強力な補完関係を確認しました。

 

ルクセンブルク研究・高等教育省 / デジタル化省によるプレスリリース